こんにちは、「しつちよ」です。私は大学を卒業したあと化粧品メーカーの企画職でキャリアをスタートさせました。3年2ヶ月勤務し、その後外資系マーケティング企業で営業事務を2年、個別指導の学習塾で教室長を11年間務めてきました。
いうまでもなく、学習塾の使命は子どもたちの学力向上と志望校合格です。そのための戦略・戦術を示し、子どものやる気を持ち上げるようなコミュニケーションをとり、保護者と協力し受験まで伴走してきました。昨日までできなかったことができるようになる子どもたちを見ていると大変にやりがいを感じる仕事でした。民間企業である以上子どもたちはビジネス用語でいえば「顧客」ですが、顧客が「成長」する仕事などあまり例を見ないでしょう。
さて、可能性の塊である子どもたちの成長のために、教育に関するよしなしごとをそこはかとなく書いていきます。
・中学2年生から考える「高校卒業後の進路」
義務教育(親が子供に教育を受けさせる義務)が終了するのは中学までですが、中学卒業後に働く方は東京都ではおよそ0.13%(令和5年度)(東京都教育委員会:2024年7月26日更新)ですので、多くのお子様は高校に進学すると思います。そこで今回は、高校進学を考えているご家庭を対象にお話をしてまいります。特に、受験まで残り1年となった中学2年生の生徒様・保護者様に向けて、将来のことをご一緒に考える時間としてまいりたいと思います。
そのためにまず、2025年度から新しくなった大学入試制度、2020年から2022年度にかけて改訂された学習指導要領の内容、特に高校での学習内容を確認してまいります。
「高校受験もこれからなのに、なぜ大学受験や高校内容の話を?」と思われるかもしれませんが、大学進学率は年々上がっており、東京では77.6%となっています(「リシード」:2025年5月29日記事。2023年度学校基本調査より集計)。多くのご家庭でも高校進学の後に大学受験を考えていると思いますので、大きく変わった大学受験制度や高校での学習内容をまずは押さえておきます。目的は2つあります。
1、高校学習内容や大学進学事情について親子で共通の認識をお持ちいただくこと。
2、「高校合格がゴール」という短期的目線に陥らないようにするため。
まず1ですが、今後将来のことを考えるうえで、親子ともに共通の認識を持っていただいたほうがストレスなく進路相談ができると思うからです。
もちろん、親御さんの体験談は貴重な情報です。しかし保護者の皆さんが経験した受験の「常識」と今のお子様方の「常識」は大きく変わっています。
例えば大学受験の「推薦入試」といわれると保護者様はどのようなイメージを持つでしょうか。
「成績優秀な子か、一般受験では受からないから妥協した子のどちらか」
というイメージはないでしょうか。大学受験といえば、英語や数学の勉強をして、センター試験を受けて、勉強して入るものだと。
ところが現在では私立大学への合格を決める受験生の5割程度が何かしらの「推薦」で、1割程度が「付属高校からの進学」や「特別枠」で決めており、学力試験のみの入試方法で入学するのは4割程度になっています。
お子様から「推薦入試を考えている」と相談された際に、ご自身のイメージされている推薦入試とお子様が思い描いている推薦入試でイメージが異なっている可能性があります。したがって現在の入試制度について、保護者様も理解をしておいていただきたいのです。
2、「高校合格がゴール」という短期的目線に陥らないようにするため。
高校はあくまでも人生の通過点。その先が大事です。大学進学を考えているならその入試制度について理解しておく必要があります。例えば推薦入試を考えたとき。推薦には3つの種類がありますが、そのうち2つ(大学によっては3つとも)は高校の成績である「評定」が必要になります。その評定はいつのものが必要かといえば、高校1年生の成績から必要なのです。つまり高校に合格できたからと気を抜いてしまうと、推薦に必要な成績をとれずに受験を迎えてしまう可能性があります。地域にもよりますが高校入試に必要な中学校の成績は3年生の2学期だけでよい、という地域もあり(東京都)、その要領で大学受験の推薦を考えていると可能性が絶たれる危険があります。
また、就職希望者や専門学校進学希望者も、学校の勉強をしておくと有利に働くことがあります。「進学はしないから勉強はしなくていい」と思っていると進路選択の時に痛い目を見るかもしれません。
したがって、高校に入学することを目標にするのではなく、高校に入った後の学習をしっかり行うことが大事だという認識を親子で持っていただければと思います。今回の内容を知っていただけると、お子様の将来の選択肢を広げるお手伝いになると思いますのでぜひ最後までお付き合いください。
今回お話しするテーマはこちらになります。
〇なぜ「大学入試」の話を、中学生の今から?
〇2025年度大学入試制度について
〇2022年度学習指導要領の変更
〇なぜ、教育が変わるのか?
・時代が変われば教育も変わる
①働き方の変化
②グローバル化
〇この変化はポジティブに捉えよう!
〇参考文献のご案内
次回は7月27日更新予定です。
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