さて、心理学部で学んだ知識や技術をどう活かしていけばいいのだろう?
様々な活躍をみていこう。
・心理職として心の問題を抱えた人のサポート
心理職の活動領域は主に5分野あるよ。
医療(病院やクリニックなど)
福祉(児童相談所など)
教育(スクールカウンセラーなど)
司法(裁判所や司法施設など)
産業(企業内のメンタルヘルスケアなど)
心に病気を抱えている人、アルコールや薬物依存の人、虐待を受けた子ども、発達に遅れのある子ども、事件の被害者や加害者・・・。本当にいろいろな事情や問題を抱えている人たちと向き合うことになる。当然、そういう人たちと向き合うには高い専門性が求められる。心理の専門職として働くには公認心理師や臨床心理士をはじめとした資格を求められることが多いよ。
・心理系の資格について
心理系の資格に関しては民間の資格がたくさんあるんだけど、やはり本気で学びたい人におすすめなのは国家資格の「公認心理師」。2017年にできた比較的新しい資格。(それまで有名だったのは臨床心理士という民間資格。)
公認心理師になるためには大学で心理学に関する指定の授業(25科目)を修め、さらに大学院に進学するか、指定された施設で2年以上の実務経験を積めば受験資格が得られる。だから心理学系の大学に進む必要があるんだ。そして注意しなければいけないのは指定25科目を大学で取得すること。「学科」や「コース」が分かれている場合は注意が必要だ。
例えば明治大学に行きたい場合、「文学部」の「心理社会学科」になるんだけど、3つある専攻から「臨床心理学専攻」でなければ公認心理師になるための大学在学中に履修が必要な25科目を習得することができない。「心理社会学科」には他にも「現代社会学専攻」「哲学専攻」があるけど、そこでは公認心理師の受験資格は得られないよ。(2024年度現在)
公認心理師の活躍の場は医療、福祉、教育、司法、産業とあるから、自分がどこの領域で活躍したいかを考えてみよう。
それに対して「臨床心理士」は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格。こちらは大学の学部の指定はなく、大学卒業後に同協会が指定した大学院を修了したうえで認定試験に合格するとなれるんだ。ただし、大学院進学の際は英語と心理学系の筆記試験があるから、他学部出身者でも心理学の勉強が必要。さらに医療の現場には医師や看護師、薬剤師といった国家資格を持っている人たちばかりだから、「心理系の資格を取りたい」と本気で思っているのなら公認心理師を目指すことをお勧めするよ。
・一般企業で幅広く活躍
そうはいっても、心理系の資格を取るために大学院に進学する人は1~3割ほどだといわれている。その他の先輩たちは一般企業に就職しているんだ。
業種でいえばサービス業や情報通信業、人材業、医療・福祉、金融業、保険業など多岐にわたる。
職種でいえば営業や販売、人事、介護職、医療機関の事務など人に関わる職種。仕事って人と関わって何かを成し遂げることが多いから、心理学部で学んだことはきっと役に立つだろうね。
あとは実験や調査、データを読み解く力を応用して企業のマーケティングやデータ分析に従事している人もいるよ。人々が「かっこいい!」と思うデザインなんかを考える車の企画職とかも。
・そのほかの職場
子どもに関する仕事がしたい場合は、児童相談所や児童養護施設で働くことも可能だ。
児童相談所は自治体の機関で子どもや家庭の問題について広く相談を受けたり、虐待などの問題があった時に一時保護を行ったりする。
残念ながら親から隔離したほうが良いと判断した場合に子どもが逃げられる場所が児童養護施設だ。児童相談所の相談員、児童養護施設の児童指導員、心理療法担当職員として働いている人もいるよ。
警察にも心理職がある。非行少年のカウンセリングや犯罪被害者の支援、警察官の採用試験における適性検査、また警察官のメンタルヘルスなんかもする重要なお仕事だ。
家庭裁判所の調査官も、心理学部出身という限定ではないけれどなれるよ。家庭の紛争が起こった時に関係者に話を聞いたり、少年事件が起こったら家庭環境や育った環境を調べたりして、時には心理検査を行い、適切な解決方法を裁判所に報告する。
少年院や少年鑑別所などで働く職員もいるよ。
「法務教官」は少年院や少年鑑別所に勤務し、非行に関わった少年たちが立ち直れるように教育や指導、支援を行う仕事だよ。
「法務技官」は法務省で働く職員。犯罪や非行と関わった人と向き合い、心理検査やカウンセリングを行って、どうしてそういうことをしてしまったのか、今後どうすればいいのかを一緒に考えていくんだ。公認心理師や臨床心理士の資格を持っている人が多いよ。
企業でメンタル不調を起こした人をサポートするEAPメンタルヘルスカウンセラーという民間資格もある。過重労働が問題になっている日本だから、メンタル不調を抱えながら仕事を頑張っている人たちがたくさんいるんだ。そういう人たちに向き合うお仕事だよ。
・研究者として
大学院に進学して、そのまま研究者として活動を続ける人もいる。心理を探究したい人には向いているかもしれないね。
大学、もしくは大学院を卒業した後の活躍の場は本当に多岐にわたる。「人の役に立ちたい」、「人の心について勉強したい」など、心理学を学ぶきっかけは様々あると思うけど、ぜひ、学んだことを世の中のために役立ててほしいな。
参照:「なるにはBOOKS 大学学部調べ 心理学部」(橋口佐紀子著、ぺりかん社)
このシリーズで教科書として使うのは以下の書籍です。
「なるにはBOOKS 大学学部調べ」シリーズ(ぺりかん社)
各学部についてとても分かりやすく解説されているので、興味がある学部に関してはこちらの本をぜひ読んでください。
その他にも各大学のホームページや、実際に筆者が働いていた学習塾で講師をやってくれていた大学生の話などをまとめて、情報発信していきますね。


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