大学や学部学科を考えるときに、自分のやりたいことが明確にならないという人は多いと思います。将来なりたい明確な職業がない、色々なことに興味はあるけど方向性が定まらない、といった人たちに、選択肢の一つとして「教養学部(国際教養学部、グローバル教養学部なども含む)」も考えてみてはいかがでしょうか。具体的に何をする学部なのかを一言で説明するのは難しいですが、理系も文系も幅広く学習できることが魅力で、チャレンジ精神や好奇心旺盛な人には向いているかもしれません。また、今一つ勉強への意味を見出せず、かといって高校を卒業したら社会に出るのもちょっとなあ、という人にとっても面白い学問だと思います。それでは、教養学部の世界を見てみましょう!
・どんな学問なの?
<人文科学、社会科学、自然科学の幅広い学びが可能>
以前の記事で大学の学部は主に「人文科学」「社会科学」「自然科学」そしてそれらに分類されないもしくは何かしら関わっているものを「総合」と、4つの分野に分類したよね。
教養学部は学問分野の枠を取り払い、4分野のあらゆる領域の科目を学べる学部だといえる。一つの学問を突き詰めるのではなく、テーマに関して様々な学問分野からアプローチしながら学びを進めていくんだ。
実は物事というのは一見関係のないものからヒントを得たり、関わったりしながら発展していく時がある。「バタフライエフェクト」なんて言葉を聞いたことがあるかな。「北京で蝶々が羽ばたくとニューヨークでハリケーンが起こる」なんていわれる現象(地名には諸説あります)。日本だと「風が吹けば桶屋が儲かる」という、一見関係のない物が別の結果を生みだすこと。例えばiPhoneを開発したアップル社の故スティーブ・ジョブズは大学を中退後、再度大学に戻って西洋書道(カリグラフィー)を学ぶのに熱中した。ITには関係ない学びのように感じるけど、後にジョブズ自身が「カリグラフィーを学んだことでアップルのコンピュータ、Macintoshを作ることができた」と語っている。アップルの斬新なデザインやフォントに役立ったというのだ。このように、ITの知識だけを突き詰めていたわけではないからこそ、社会に変革をもたらす技術を開発できたともいえる。(もちろんITの知識を突き詰めたうえで、ではあるけれど)
このように幅広い知識や教養がイノベーションを起こすことがある。まして今の時代はこれまでのように先が見えない時代。社会の様々な課題に柔軟に対応するためには様々な知識や知恵や応用力が必要なのかもしれない。一つの科目だけを勉強していたのでは気づかない問題点や解決策を提示できる、そんなメリットが、「学問分野の枠を超えて学ぶ」ことのメリットかもしれないよ。
いわば医学部や理学部、工学部などの学部がスペシャリストを育てることを目的としているのに対して、教養学部は論理的思考力、判断力や分析力、問題解決能力を身に付けたジェネラリストの育成を目指しているんだ。
<リベラルアーツ=教養?>
リベラルアーツという言葉は聞いたことがあるかな? 日本語では「教養」と訳されていて、教養学部の基本理念になっている。
リベラルアーツとは、もともとは「自由な知的研究のためのディシプリン」(大学辞典)と言われており、平たくいうと「人が自由になり、色々な可能性に向かうための知識や、生きるための力を付ける学問」(木村)を意味している。一つの課題に対して様々な学問分野からの知識で向き合い、人生や社会を豊かにしていくために教養を身に付ける、という解釈でもいいと思うよ。
<好奇心、問題意識、柔軟性、英語力があれば考えてみてほしい学部!>
教養学部に入学すると1年生、もしくは2年生の内は色々な学科の基礎を学習する。その後に自分の専攻となる学問を決めていくんだ。
好奇心が旺盛で、社会に対して問題意識を持っていて、色々なことにチャレンジすることが好きな人にとっては楽しいだろうね。そして教養学部での学びは、答えは一つではないかもしれないし、その答え「らしきもの」が本当に正しいのかを検証する姿勢も求められる。だから色々な学問や考え方を取り入れる柔軟性や物事に対して常に「なぜ?」を考えられる人も教養学部に向いているかもしれないね。
そして、学年が進むと専門分野の講義を英語で受けるようになる大学も多い。さらにカリキュラムの中に留学があったり、留学生がクラスにいたりと国際色豊かな学部でもあるんだ。もちろん1年生のうちに英語の基礎はしっかり勉強すればいいから、今の英語力は気にしなくていいよ。
参照:「なるにはBOOKS 大学学部調べ 教養学部」(木村由香里著、ぺりかん社)
このシリーズで教科書として使うのは以下の書籍です。
「なるにはBOOKS 大学学部調べ」シリーズ(ぺりかん社)
各学部についてとても分かりやすく解説されているので、興味がある学部に関してはこちらの本をぜひ読んでください。
その他にも各大学のホームページや、実際に筆者が働いていた学習塾で講師をやってくれていた大学生の話などをまとめて、情報発信していきますね。


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