今回は法学部についてみていきましょう。
いわゆる法曹三者といわれる弁護士、検察官、裁判官を目指す学部、という印象があるかもしれないけど、法学部で法曹界に就職する割合は13.2%なんだ(文科省調査 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/07/31/1407689_005.pdf)。
多いのが公務員(国家16.3%、地方24.4%<同調査>)、それから一般企業への就職も3割近くに上るんだ。
法学部は昔から「就職の潰しが利く(就職に有利ということ)」学部として有名だけど、どういうことか見ていこう。
<そもそも法律って?>
私たちが生活している社会は様々な背景を持った人々が様々な利害を持って生活している。時にその利害が対立してトラブルが起こることがある。その解決の手段として力を利用しようとすると社会が不安定になってしまうよね。力が強い人が威張り、力の弱い人は不条理を被る。そうならないようにしているのが法律なんだ。トラブルが起こっても法律に則って判断すれば平和的に解決できる。その判断をしてくれるのが裁判所。
つまり法律とは、我々の社会生活が平和かつ円滑に営めるように国家が決めた社会のルールだ。
でもそれも、正しく運用されなければおかしなことになってしまうよね。法学部では、法律そのものと、その正しい運用方法を学んでいくんだ。
<解釈論と立法論>
法学部では大きく分けて2つのことを学ぶ。
一つは「解釈論」、もう一つは「立法論」だ。
まず解釈論。例えば法律には「人を殺してはいけない」という条文はないんだ。だけど刑法199条で「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と記載されているわけだから、「当然」人を殺してはいけないことになる。(もっというとこの条文は犯人に対してのものではないんだけど、話がややこしくなるからここまでにしておくね。)では「人」というのに胎児は入るのか、脳死の人から臓器を切り取って移植するのはいいのか、など様々な解釈が生まれるはずなんだ。このように、ケースによっていかようにも解釈が可能な、微妙な事案はどの条文にも生じる可能性があり、条文を読んだだけでは分からない。さらに技術の進歩によりこまでなかった新しい考え方も出てきて判断が難しくなることもあるだろう。裁判では、裁判官や弁護士がこの条文の解釈に挑む。条文通りに解釈すると一方に不利益が生じるから別の解釈や別の条文の解釈で判断することもある。そして条文をどのように解釈し、判決を出したのかを裁判官が読み上げる。
このように、条文だけ読んでも解決できない解釈が「解釈論」で、法学部で学ぶもっとも重要なことだ。
もう一つは「立法論」。「政策論」ともいう。時代の流れによって社会に必要なルールって変わっていくよね。ある程度は「解釈」によって時代に適応することはできるけど、それにも限界がある。その場合には新しい法律を作る「立法」という仕事が必要になる。それを学ぶのが「立法論」だ。最近では選挙権が与えられる年齢が20歳から18歳に引き下げられたけど、これなんかは身近な立法の例だね。その他児童虐待に対応した「児童虐待の防止等に関する法律」や性的マイノリティの権利が注目されて「性同一性障碍者の性別の取り扱いに特例に関する法律」が制定された。社会や時代の変化に対応した新たなルールが必要になるとき、新しい法律が必要になるんだ。
参照:「なるにはBOOKS 大学学部調べ 法学部」(山下久猛著、ぺりかん社)
このシリーズで教科書として使うのは以下の書籍です。
「なるにはBOOKS 大学学部調べ」シリーズ(ぺりかん社)
各学部についてとても分かりやすく解説されているので、興味がある学部に関してはこちらの本をぜひ読んでください。
その他にも各大学のホームページや、実際に筆者が働いていた学習塾で講師をやってくれていた大学生の話などをまとめて、情報発信していきますね。


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