【メンタルヘルス自己分析3】自分を外から眺めよう(認知行動療法 序章)

メンタルマネジメント

自己アセスメントの手順を確認します

1、身体的な疾患、加齢を考える

2、精神的な疾患を確認する

3、心の問題を確認する

4、生活環境を考える

5、ライフステージの発達課題を考える

6、自我機能から考える

 

<3、心の問題を確認する>

身体の異常、精神疾患がないことを確認したら心の問題を確認します。まず2つを確認する理由は「病気」を見落とさないためです。医療機関への受診や薬物投与で解決できる異常であれば、まずは治療が先決だからです。その心配がないと分かってから、不安神経症、強迫神経症、特定の恐怖症、心身症、解離性障害などではないかを考えます。これらは心理的なストレスが原因で精神症状や身体症状が発生したものです。身体に異常は出ても健康体だったり原因が特定できなかったりするもので、心理的な原因が考えられるものです。薬物療法も併用されますが、心理カウンセリングの効果が期待できるものになります。

 

・不安症の症状

不安や恐怖といった感情は、本来、状況に応じて起こることは自然なことです。本能的に危険を察知する能力が備わっていないと人類も生き残ることはできなかったでしょう。しかし不安や恐怖が社会適応できないほど過度になると、不安症を疑います。不安症には以下に分類される症状があります。

〇分離不安症=愛着ある人からの分離に対する過剰な恐怖・不安

〇極限性恐怖症=特定の対象、状況への恐怖と不安

〇社交不安症=注目を浴びる社交場面への恐怖と不安

〇パニック症=突発的なパニック発作

〇広場恐怖症=交通機関や広場など特定の状況に対する恐怖

〇全般不安症=過剰な不安と心配

自律神経症状を伴った身体症状が見られますが、検査をしても異常が確認されず、身体疾患は否定されます。

 

〇全般不安症=過剰な不安と心配

原因としては脳内の神経伝達物質であるGABAやセロトニン、ノルアドレナリンの異常、遺伝的要因も考えられています。

症状としては慢性的で持続的な不安と心配です。起こりそうにないこと、起こったとしても解決できそうにないことに対して過剰に心配してしまいます。

「期日までに仕事を終わらせられるか」「ミスをしないか」といった自分のことから、会社全体のことまで心配してしまうケースがあります。

これら慢性的な不安や心配が続くと身体の緊張が高まり、筋肉の痛み、頭痛や肩こり、不眠、めまい、震え、下痢、頻尿など様々な身体症状を呈します。イライラしやすくなったり周りに対して敏感になったりしてリラックスすることが難しくなり、集中力の低下や疲労感も出てきます。

対処法として、薬物療法と心理カウンセリングの両方を実践することが挙げられます。また休養をしっかり取り、身体をリラックスさせることが重要です。有給を使うことや、深刻な場合は休職なども視野に入れます。

といってもそれができないのが現代人ですよね。私も学習塾時代は1年365日のうち320日くらいは働いていて、受験シーズンには90連勤ということもやっていました。らちが明かないので山や海や川など自然に触れる日をあらかじめ決めておき、その日はスマホの電源も切るようにしていました。計画的にお休みを取ることをお勧めします。

 

〇パニック症=突発的なパニック発作

パニック発作がもたらす不安や恐怖は本来人間が備えている防衛反応です。それがあるから危険を回避したり敵と戦ったりすることができて生き延びてきたのです。この反応が、不安定なために誤って作動してしまうのがパニック症です。何の理由もなく突然に動悸や呼吸困難、胸痛、めまい、吐き気など身体症状を引き起こします。

しかし、実はパニック発作が起こる前に強いストレスにさらされている場合があります。出張や徹夜続き、連勤、大きなプロジェクトの前後など仕事面だけでなく、パートナーによるDV、嫁・姑の苦労、子育てなど家族関係のトラブルも影響することがあります。

パニック発作が起こると「このまま死んでしまうのではないか」という強い不安感に襲われます。何度か発作が起こると「また発作が起こるのではないか」という予期不安が生じることもあります。予期不安が強くなると過去にパニック発作を起こした場所や大勢の人が集まるところ、電車やエレベーターなど囲まれた場所などを避けるようになります。恐怖の対象が広がると行動範囲が狭くなり、一人で外出できないなど日常生活に支障をきたします。

対処法として、薬物治療と心理療法があります。また発作で死に至ることはないということは理解していただければと思います。なるべくストレスがかからない働き方(納期が重複しない、締め切りにゆとりを持つ、苦手ならプレゼンテーションを変わってもらうなど)を実現できるならそのようにします。またあなたが管理職の立場なら、パニック症について理解を持ち、そういった部下への配慮を考えてみましょう。フレックス制を導入したり在宅勤務を認めたりなど、仕事の状況により調整ができればよいのですが。

 

〇社交不安症=注目を浴びる社交場面への恐怖と不安

症状として、大勢の人の前で話す、初対面の人と話す、会食するなど社会的状況において過度に不安感や緊張感が高まるといった心理的な問題です。手が震える、赤面する、発汗するなど身体症状にも表れることがあります。対人場面において自動的に「自分はどう見られているだろうか」「笑われていないだろうか」「失敗したら恥ずかしい」など人からの視線や評価を過度に気にしてしまいます。そこには「それによって自分の評価が下がってしまうのではないか」という不安感があり、それが一層本人を苦しめています。

昨今ではSNSの広がりにより、他者からどう見られているかをこれまで以上に気にする環境になっています。もちろん思春期には他者からの評価を気にする傾向がありますが、それが一過性のものでなく、深刻になって社交を避けるほど生活に支障をきたしているのが社交不安症です。

人前で話をする時に恐怖を感じる「スピーチ恐怖」、人前で字を書こうとすると震えてしまう「書痙」、他人との食事で自分が食べているところを見られるのが怖い「会食恐怖」、他人から見つめられるのが怖い「視線恐怖」などがあります。

対処法として、薬物療法と心理カウンセリングがあります。また考え方がマイナスに触れすぎている場合がありますので、落ち着いて思考の整理をしてみることも大切です。本当に他人はあなたのことを嫌っているのか、本当に他人はあなたの外見に注目しているのか、と冷静になる必要があります。

社交不安症は「性格の問題」や「あがり症」と捉えられ、一人で悩むことが多いですが、対人関係で過度に不安を感じるようであれば「社交不安症」という病気があることを認識し、医療機関で治療を受けてみることもお勧めします。

個人的にはこの不安症が強い方でした。私の場合は高校時代から日記を書いているのですが、それによって自分を客観視でき、状況(学校のクラスや職場)を俯瞰してみることができ冷静さを取り戻すことができていました。知らず知らずのうちに心理療法である「認知行動療法」を自らに行っていたことになります。認知行動療法については改めてお伝えします。

次回は3月16日更新予定です。

 

<本コーナーの対象と目的>

このコーナーでは、心身の不調を感じている方が自身の状態をセルフチェックするための手法をお伝えします。これからお話するのは、これまでごく一般的に(「一般的」の定義も難しいですが)生活してきたが心身の不調を感じている、18歳以上の成人の方を対象とします。

その方々が自身の不調の原因を自分で探るための心理学的な知識、自分と向き合い心を軽くするためのキャリア理論、心理学的な理論などをお伝えし、「自助」ができる手段を示すことが目的です。

あくまでも環境や役割の変化をきっかけに心身に不調をきたしている方が、自分でその原因や状態を分析する「自己アセスメント」の手法と、理論や考え方を身に付けて心身の不調と向き合うための「自助」をアシストすることを目的としますので身体的、精神的疾患が疑われる場合は必ず医療機関を受診してください。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました