自己アセスメントの手順を確認します
1、身体的な疾患、加齢を考える
2、精神的な疾患を確認する
3、心の問題を確認する
4、生活環境を考える
5、ライフステージの発達課題を考える
6、自我機能から考える
<4、生活環境を考える>
人は誰でも家庭、職場、学校などでそれぞれの「役割」を担っています。その領域内での変化が心身にストレスを与えている可能性があります。身の周りの環境を振り返ってみましょう。
・家庭
親、子、夫、妻などといった役割。
夫婦喧嘩やそれを仲裁する子ども、厄介扱いされる祖父母、いわゆるヤングケアラーになる子供、などが該当すると心身の負担となります。
また結婚、出産、離婚、嫁姑問題、巣立ち(子供の卒業や独立)、家族の病気、死別などステージが変化することにストレスとなる場合もあります。
・職場
希望職種や希望部署に付けない、上司からのハラスメントに遭っている、部下からの突き上げが厳しい、きついノルマ、などが該当すると心身の負担となります。
また就職、転職、移動、転勤などのステージの変化からストレスを感じる場合もあります。
・地域
町内会の負担、マンションや近隣住人との嫌な付き合い、迷惑な隣人などが該当すると心身の負担となります。
・学校
いじめられる生徒、不得意分野に推薦されての委員や役職、なじめない生徒とのグループワーク、などが該当すると心身の負担となります。
また入学、クラス替え、受験、卒業、進学などステージの変化からストレスを感じることもあります。
概してこれらは環境が変わることにより以下の点が課題となります。参考にするのは心理療法の一つである対人関係療法の知識です。
➀悲哀
②対人関係上の役割をめぐる不和
③役割の変化
④孤独、社会的孤立
➀悲哀
重要な人を失くした後の哀しみ。もちろんこれは正常な反応です。2~4カ月は続くといわれていますし、失くした人の重要性が高すぎると何カ月も何年も癒えるものではないのかもしれません。しかしこれにより日常生活に支障をきたす場合は医師や臨床心理士など専門家の支援を考えてください。
また長年関わってきた仕事を失い喪失感を覚えることも悲哀と捉えて良いでしょう。
②対人関係上の役割をめぐる不和
自分にとって重要な他者が自分の役割に関して抱いている期待にズレが生じることです。
例えばこれまでトップセールスマンだった人が管理職を任された場合。上司はチームとしての売上向上、人材育成をその人に求めて抜擢したにもかかわらず、その人はいまだに自分が数字を作ることにやりがいを感じ、そのような動きをしてしまうといったことはよくあります。上司からすると期待した役割を果たしていないわけですが、その人からすると思ったような動きができないことや評価の仕方などが気に入らず、ストレスになってしまいます。
③役割の変化
転職や出産、介護、経済状況の変化、健康上の変化などが起こっているにもかかわらず、これまでの役割のまま生きようとすると周囲のストレスが増えます。その結果対人関係が悪くなり、心身の負担となります。
出産により夫婦間の男女の役割が変わったり、親の介護によりこれまでと同じ働き方をできなくなったりなど、環境が変化することにより役割も変化していきます。
④孤独、社会的孤立
結婚、出産、転勤、進学などでこれまでのコミュニティから切り離されてしまった場合、新しいコミュニティを作る、または新しいコミュニティになじむまでに孤立感を経験することを社会的孤立といいます。
子育ての大変さを夫が理解してくれず、他に頼れる親族や友人もいない場合、家族というコミュニティはありながらも孤立している状態といえます。職場でも、会社やチームの方針に従えずパフォーマンスが上がらない社員は会社というコミュニティには属していますが孤立しているかもしれません。そう考えるとこの社会的孤立は自覚がない場合も多いです。
このように環境要因から心身の不調をアセスメントしてみると色々と見えてくるものがあるかもしれません。ではこのような場合に何をすればよいか、という点は改めて記事にしたいと思います。
次回は3月23日配信予定です。
<本コーナーの対象と目的>
このコーナーでは、心身の不調を感じている方が自身の状態をセルフチェックするための手法をお伝えします。これからお話するのは、これまでごく一般的に(「一般的」の定義も難しいですが)生活してきたが心身の不調を感じている、18歳以上の成人の方を対象とします。
その方々が自身の不調の原因を自分で探るための心理学的な知識、自分と向き合い心を軽くするためのキャリア理論、心理学的な理論などをお伝えし、「自助」ができる手段を示すことが目的です。
あくまでも環境や役割の変化をきっかけに心身に不調をきたしている方が、自分でその原因や状態を分析する「自己アセスメント」の手法と、理論や考え方を身に付けて心身の不調と向き合うための「自助」をアシストすることを目的としますので身体的、精神的疾患が疑われる場合は必ず医療機関を受診してください。


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