【天文台を福祉に!】南阿蘇ルナ天文台で伺った壮大な目標

随想

2025年10月31日(金)、熊本県阿蘇郡南阿蘇白川にある「森のアトリエ☆南阿蘇ルナ天文台」さんに伺いました。

宿泊施設付きの天文台ということで、昔から星好きだった私が一度訪れてみたかった場所。東京にいるとなかなか見られない「満点の星」を体験したくて伺ったのですが、前日から午後にかけて雨模様。夜にはだいぶ落ち着き、口径82センチの反射望遠鏡で雲の隙間から土星と月を観測することができました。

■宿泊施設として超一流!

この宿泊施設は客室がレトロなコテージのようになっていて、のんびりとした癒しの時間を過ごせます。

ディナーは南阿蘇の創作フレンチ。阿蘇名物・あか牛のフィレをいただきました!

部屋、お料理すべてにおいて★5つをつけたくなります。

 

■星空体験ツアー(天文台浴)へ参加

さて、ディナーの後は20:00から「星空体験ツアー(天文台浴)

1、4Kプラネタリウム鑑賞

2、天文台で口径82センチ反射望遠鏡、双眼鏡による天体観測

3、星空を眺める会(曇天・雨天の場合は天文お茶会)

 

1、4Kプラネタリウム鑑賞

解説員のユーモアに包まれながら、銀河の果てまでの壮大な旅へ。

138億年の時間を感じた瞬間、日々の悩みが宇宙の広がりの中で小さく見え、心が軽くなりました。まさに「星が心を癒す」体験でした。

 

2、天文台で口径82センチ反射望遠鏡、双眼鏡による天体観測

あいにくの天気でしたが雲の隙間から大望遠鏡で土星を、双眼鏡で月を観測。少年時代によく望遠鏡を覗いては感動していた時を思い出しました。

 

3、星空を眺める会(曇天・雨天の場合は天文お茶会)

残念ながら曇り空で、前日の雨の影響もあり芝生に腰かけての星空観賞は中止に。その代わり星に関するお話をするお茶会が催されました。

アップルティーをいただきながら「星のコンシェルジュ」が星のお話や質問に答えてくれます。

興味深いお話をたくさんいただきました。

 

■星を観ることで人生を考える(?)

「あの望遠鏡でどのくらい遠くの星まで観えますか?」という質問に対しては、距離というより明るさが大事なのだとか。遠くても明るく輝いている星は見ることができるということです。遠くても強く光る星は見える―。それはまるで、人の才能や生き方にも重なるようでした。

また、「流星群がなぜ毎年同じ時期に観測できるのか」という質問について。流星は宇宙に存在しているチリなどで、彗星がまき散らしたものなどが挙げられます。例えばペルセウス流星群なら毎年8月12日前後に観測することができるのですが、なぜ毎年同じ時期にみられるのだろうと不思議でした。

その答えは、「地球が公転しているから」。公転する軌道上にチリなどが多い場所があり、そこを地球が通るから毎年決まった時期にみられるのだと。

考えてみれば当たり前なのかもしれませんが今まで気づきませんでした。どうしても「毎年の天体ショー」ということで「やってくるもの」「待っているもの」というイメージを持っていましたが、言ってみれば地球がそのショーに毎年「参加しに行っている」わけです。楽しみは自分から見つけて行動していかないと得られない、という人生の教訓のようにも感じました(笑)。

 

■天文台の「福祉的な」研究をしたい

最後にアメリカ人の観光客から「この天文台で天文学のアカデミックな研究はしているのですか?」という質問が。

もともと熱心に受け答えされていた星のコンシェルジュの説明が、今まで以上に熱を帯びてきました。「Good question. Thank you!」から始まる英語の解説。単語や身振り手振りから重要なお話をされているなと感じていましたが、日本語で語られたことに衝撃を受けました。

「星や宇宙の“学術的研究”ではなく、星を通じて人を癒す研究をしています。

私たちは“天文台浴”という新しい福祉の形を提案したいのです。

博物館を歩くことでストレスが軽減される「博物館浴」が注目されていますが、同じように“天文台”にも人の心を癒す力がある。

夜空を見上げ、宇宙の中の自分を感じること―、それが心の健康に繋がるという考えです。」と。

「博物館浴」とは、精神的な疲労が博物館を見て回ることで癒されることです。科学的に優位なデータが得られており、カナダの一部医療機関では精神的な疲労に対して処方箋として博物館めぐりをすることを勧めているとか。実際に血圧が安定したり怒りの感情が収まったりという科学的なデータが出ているそうです。

「私たちは、天文台にもその癒しの力があると信じて、科学的なデータを採っているところです」

いずれ「天文台浴」という言葉を世の中に浸透させたい、そのような想いがあるとのことでした。

この発想は私にとってかなり腑に落ちることでした。

 

■ 学びは“癒し”であり、“福祉”である

学習塾時代、特別授業として歴史の授業を行う際は、必ず「宇宙の歴史」から始めていました。「歴史って、そんなところからですか!」と最初はツッコんでいた生徒さんたちも、徐々に話に入り込んでくれました。

現在の研究では、宇宙誕生は138億年前といわれています。その軌跡を語る理系の話から始めます。水素、ヘリウムという原子が現れ、化学反応(融合反応)を起こし、様々な原子を生み出します。やがて鉄が生まれます。化学記号の26番目、Feですね。そして星の中心が鉄になると、融合反応が止まるので熱の発生は無くなります。星が終わりを迎えるときは、星の重力による重みを支えられなくなって、一気に中心に向かって陥没を始め爆発を起こします。これが超新星爆発で、このときに、それまでに恒星の中で作られた元素が宇宙空間にばらまかれるのです。

まぎれもなく、鉄は我々の血液を作っている物質。すなわち科学的な意味で我々は「星の子」なわけです。

そんな人類が誕生したのは700万年前ともいわれていますが、歴史で学ぶのは間近の数千年の話。

「138億年の宇宙の軌跡を捉えてから人類の歴史を学ぶとき、我々の未熟さや可能性を感じることができないだろうか、人が百年生きたとしても宇宙の時間軸でとらえればわずか0.2秒の人生。その間に様々な喜びや苦しみを経験していることを考えると、それだけで人生が愛おしく思えてこないだろうか、そしてその一瞬と一瞬で巡り合えた友や家族を大事にしたいと思えないだろうか・・・」

そんなことを伝えた帰り、さよならの挨拶をしていく生徒さんたちの表情はいつもとちょっと違って見えました。

星には、星を見ながら考える壮大な歴史には、人を癒す力が必ずあると信じています。

 

実は、こんなことを伝えたくて「教育」と名の付く仕事に就いたのかもしれません。

学ぶことは、知ることは、自分の存在を肯定し、心を豊かにしてくれる。

それは“癒し”であり、つまり“福祉”そのものです。

だから私は、教育とは「人を幸せにする営み」だと信じています

学びを通して自信を持ち、人を思いやり、社会とつながる。

そんな教育の形を広げていくことが、私の目指す“教育による福祉”であるのかもしれないなあと、そんなことに気づかせてもらった夜でした。

ありがとうございました。

「天文台浴」の広がり、応援しています。

 

■「星を体感する癒しの宿」森のアトリエ☆南阿蘇ルナ天文台

熊本ICより車で40分/ 熊本空港より車で約60分/南阿蘇鉄道 高森駅よりタクシーで10分

ぜひ、訪れてください。

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