「では次に私立高校についてです。単願推薦、併願優遇、一般入試の3種類があります。

単願推薦というのは内申の基準をクリアしていれば当日の作文や面接などでほぼ合格できる試験です。試験日はたいてい1月22日前後で、遅くとも翌日には結果が出る学校が多いです。単願推薦は高校側が提示している内申点(素点)をクリアして中学校長の推薦がもらえれば受験できます。基準に達していなかったとしても英検や漢検などの検定を持っていれば加算されるケースもありますので、10月の英検や漢検を受けている生徒さんは何としても受かっていることを祈ります。
受験である以上100%はありませんので油断しないように。もしダメだった場合は一般で受ける事になりますので勉強は最後までやっておきましょうね。
また「推薦」と名前がついている入試でも倍率がある試験もありますので、そこはちゃんと調べてください。例えばこのあたりだと中央大学杉並高校。ほとんどの生徒が中央大学に進学する人気の高校ですが「一般公募推薦」という言い方をしています。「推薦」といっても合格が確約されているわけではなく試験があります。そもそも9科の内申が37以上無いと中学校長の推薦を受けられません。そして面接と5教科の学力試験があります。ここの面接ですが、非常に哲学的なテーマを扱っていますし、5教科の難易度は高く、時事的な問題も触れられ、制限時間は各20分です。非常にハードルが高い試験です」
「そんなに簡単に中央大学はついてこないってことね」
一人の保護者のつぶやきに他の保護者も納得した様子で頷く。
「そうですね、明治や中央レベルの付属高校の推薦は本当に厳しい戦いになると思います」
「では次に併願優遇です。いわゆる滑り止めという扱いですが、こちらも高校側で内申(素点)の基準があり、そこをクリアしていないと受けられませんので注意が必要です。併願優遇を受けられたら相当優遇されるはずですが、少なくとも市販されている過去問はやってから受験しましょうね」
「滑り止めの学校でも確実に合格するわけじゃないんですか?」
保護者から声が上がる。
「よほどのことがない限り大丈夫だとは思うんですが、一度某私立高校が併願で受けた子に不合格を出したことがありました。あまりにも点数が低かったんでしょうかね、詳細は分からないのですが。ですので油断は禁物です」
「そして最後は一般入試。こちらはほとんどの学校で内申は関係ありません。当日の学力試験、たいていは英数国ですが、その結果で合否が決まります。逆に言えば、私立志望の場合でも一般入試以外は内申が必要になるということです。そして受験に必要な内申は3年生の2学期の成績です。だから、1カ月後の期末テストで何としてもいい点数を取るように頑張ってほしいんです」
保護者が大きく頷いた。
「あの・・・」
また別の保護者が手を挙げる。
「都立を第一志望にして併願が取れたとして、念のためもう1校くらい確実に受かるレベルの別の私立を受験してもいいのでしょうか」
「目的は、保険ですか?」
「はい、そうです」
「それであれば受けていただいても構いません。基本的に併願が取れればそこだけでもいいのですが、これまでも慎重な女子生徒の数名は併願の他にも私立を受けていました。なにせ寒い時期ですから、体調の心配もあったのでしょう。風邪なんかで寝込んで試験を受けに行かなければ、併願校といえども合格を出すわけにはいきませんから」
「ありがとうございます、考えてみます」
「あの、よろしいでしょうか」
もう一人の保護者が手を挙げる。
「はい、どうぞ」
「私立を第一志望にしたい場合、他の私立を併願にすることはできるんでしょうか」
「学校によりますね。公立の併願としてしか認めていない学校もありますので注意が必要です。個別に相談していただければお調べしますので教えてください」
「はい、分かりました」
説明および質疑応答に一段落つき、しばらく資料を見返す音が響いた。
新たな質問がなさそうなのを確認し、妙恵は口を開いた。
「では、疑問点が出てまいりましたら、会の後にも受け付けておりますのでご質問ください。次に、大半の方は都立入試をされる予定ですので、都立の出題傾向を押さえておきましょう」
次回は10月24日更新予定です。


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