脳の特徴その2、「くり返しやったことは覚えている」
皆さん、クラスの人や職場の人の誕生日って覚えていますか?
とても親しい間柄ならともかく、聞かれてすぐに誕生日を答えられるクラスメートや同僚は少ないのではないでしょうか。
しかし、『しつちよ』が教室運営をしていた時、とある先生の誕生日はすぐに出てきました。
なぜなら、同じ誕生日の人が教室に4人いたから。
つまりその日付が目に触れる機会が多かったため。
一度聞いたこと、目に触れたことは繰り返さないと定着しませんよね。
「勉強は量をこなせ」とはよく言いますが、単純に類題をたくさんこなしなさい、という意味ではありません。
以前お伝えした「4ステップス」を意識し、まずは「正しい解き方」をマスターするための「量」を確保し、それができてから問題慣れやスピード対策のためにたくさんの類題をこなす「量」を意識しましょう。
また「反復」というキーワードを考えるとき、よく出されるのが「エビングハウスの忘却曲線」です。
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが実験し、提唱した人間の長期記憶についての研究結果です。

この研究では意味のないアルファベットを記憶させた後、どれだけ記憶を保持できているかを実験したもので、20分後には42%、1日後では67%忘れているという結果が出ています。
したがって復習をしないと人はどんどん忘れていくよ、ということで、学校や塾といった場ではよく語られる実験結果です。
ただし、ここで語られているのは、実は「記憶の節約率」という話です。
一度覚えたことを再度覚えるためにかかる時間の「節約率(どのくらいで思い出すことができるか)を時間軸で表したものです。
すなわち、最初に意味のないアルファベットを覚えるのに60分かかったとして、1日後に同じものを暗記し直そうと思ったら節約率が33%なので約40分で覚えられる、ということを表しているグラフなのです。
またカナダのウォータールー大学の実験では、1時間の講義を翌日に10分間の復習を行った場合、講義直後にほぼ近い状態まで記憶を復元することができ、更に7日後には5分程度の復習で、1か月後に3回目の復習をすると2~4分で1日目の講義を思い出すことができたといいます。
Curve of Forgetting | Campus Wellness | University of Waterloo (uwaterloo.ca)
ちなみに翌日にまったく復習をせず、学習内容をぼんやりとでも思い出すことをしないと50~80%の記憶は失われてしまうそうです。
そのような状態でさらに1カ月過ごすと、学んだ内容はほとんど覚えておらず、一から学び直すのと同じ状態になるそうです。
そう考えると、復習を行うタイミングは早いに越したことがないのが分かると思います。
例えば中学生の定期テストはだいたい3カ月ごとにありますので、授業後何も復習をせずにテスト直前に3カ月前の内容を思い出そうとしてもかなりの時間を要することになります。
エビングハウスの忘却曲線、ウォータールー大学の忘却曲線ともに以下のことを表しています。
1、復習はなるべく早く行ったほうが良い(エビングハウス)
2、最初の復習のベストタイミングは翌日(ウォータールー大学)
3、定期的に復習をすることで定着が図れる(ウォータールー大学)
理論、実験結果から考えると、授業後の復習のタイミングとして、その日の夜、1日後、1週間後、1か月後、テスト前、と行っていけば効率の良いテスト対策時間を過ごすことができるのではないでしょうか。
実体験として、授業の宿題をその日のうちに1回、翌日に1回、次の授業前日(約1週間後)にしっかり行っている生徒の記憶の定着度は良かった印象があります。


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