これまでユダヤ教、キリスト教、イスラム教を簡単に見てきました。今回からは多少日本人になじみのある仏教を取り上げます。
仏教というとどのようなイメージがありますか?
お坊さんがいたり、座禅を組んだり、お経を唱えたり、生まれ変わりがあったり・・・。
仏教は宗派によって様相が異なりますので、身近だけどよく分からない、そういう方も多いのではないでしょうか。
〇開祖・釈迦は仏教徒だったのか?
キリスト教も同じですが、果たしてイエスはキリスト教徒だったのでしょうか? ユダヤ教に新しい考え方を持ち込んだのがイエスであり、自身が教祖となって新しい宗教を広めようとしたのかどうかは分かりません。
釈迦についても同じことが言え、今の仏教が釈迦の教えを完全に受け継いでいるのか、と言われると疑問符が付くところもあります。「仏」教とは言いますが、釈迦は何か絶対的な「仏」の存在やあの世の話を語ったわけではありません。釈迦が語ったのはそういった不思議な話ではなく、生きている間に幸せになるためにはどうすればいいのか、苦しみから解放されるにはどうしたらいいのか、そのための方法論、論理学であり、哲学だったわけです。
〇バラモン教の存在
イエスがユダヤ教に新しい解釈を加えたのと同じように、釈迦の考えにも基となる教えがありました。それがバラモン教です。
まず世界史的な確認をしておきましょう。
「インダス文明」と言われるように、インドはたいへん栄えた土地でした。
しかし紀元前15世紀ごろには衰退がはじまり、西から侵攻してきたアーリア人に支配され、農耕や自然崇拝が始まります。
紀元前12世紀、「リグ・ヴェーダ」が成立し、複数の自然神を崇拝する聖典が生まれました。
「ヴェーダ」とは「宗教的知識」の意味で、祈りや災いを払う言葉が記されたものです。
「サーマ・ヴェーダ」「ヤジュル・ヴェーダ」「アルタヴァ・ヴェーダ」と数百年の時を経て形成されていきました。
「ヴェーダ」は「サンヒター」「ブラーフマナ」「アーラニヤカ」「ウパニシャッド」の4部門で構成されていました。
中でもウパニシャッドというものが重要な部門となります。
〇バラモン教の形成
インドではカースト制度が作られました。
バラモン・・・司祭階級
クシャトリア・・・武士、貴族
ヴァイシャ・・・庶民
シュードラ・・・奴隷(アーリア人に征服された先住民族)
紀元前8世紀頃、バラモンが自らの特権的地位を維持しようとし始めました。「ヴェーダ」の中の「ウパニシャッド」を理解し、苦しみ(=輪廻(生命が永遠に繰り返されること))から逃れることができるのはバラモンだけ、ということを主張し始めます。
では「輪廻」とは何か、「ウパニシャッド」とはどのようなものなのか、次回見ていきましょう。


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